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いやマジで、中国の海軍力は恐るるに足らんのですよ

海自の護衛艦「ひゅうが」が中国空母を撃沈!?どこまでも中国海軍を馬鹿にする日本人―中国メディア (XINHUA.JP) - Yahoo!ニュース

 元ネタはアオシマのプラモデル、「1/700ひゅうが」にオスプレイを艦載機として付属させた「離島防衛作戦」のパッケージアートで、ブラックジョークレベルの話に中国が食いついちゃったワケですが。

「日中が開戦したら、中国は必ず負ける」というのが日本人の一般的な認識だ。当然、そこには彼ら自身の願望も含まれている。

 について言えば、純然たる事実であり願望でもなんでもないですよと。そこに気づいてないor気づいてるからこそ触れてほしくない部分として、発狂じみた去勢としか取れない論調になるわけですが。
 もちろん、「日本が勝つ(正確には負けない)」と断言する論拠があっての話です。

 中国の考え方は一言で言うなら「陸軍国ならでは」。「戦いは数だよ、兄貴」と、むかし偉い人が言いましたが、中共のドクトリンは全てにおいてコレ。奇しくも同日のネタとして

 中国国家海洋局に属し、沖縄県・尖閣諸島がある東シナ海や、南シナ海などでの監視活動を担う統括組織「中国海警局」(海上保安庁に相当)が22日、正式に発足した。
海洋権益確保などを目的に1万6296人の実動部隊を配置しており、その活動を巡って新たな日中摩擦を生む可能性がある。

お知らせ : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

と、数を武器にした組織の誕生を伝えるニュースがあったりもしたわけですが、海軍・海戦において、数が有利に働くとは限りません。

 海上戦力においては装備の質と兵士の練度、こっちのほうが数段重要です。陸戦と比べて海戦は艦艇という数十人から数百人…空母なら何千人という単位でパッケージングされた戦力を最小単位として対峙することになるので、チームとしてその能力をいかんなく発揮できる方が「強い」と言えるのです。それは一糸乱れぬ行進のような一体化とは、意味もレベルもまったく異なるものです。
 陸軍国は、ランチェスターの第一法則“戦闘力が優勢な方が勝利し、勝利側の損害は劣勢の戦力と等しくなる”単純に言えば「100人の敵勢に101人で当たれば、1人生き残る我が軍が勝つ」を実践して勝利してきた経緯から、すべての戦闘にこれが当てはまると妄信する傾向があり、「質と練度」を維持するために莫大な予算がかかる海軍にも適応させてしまい扱いきれなくなる、という歴史を繰り返しています。その辺はフランス・ドイツ・ロシアの軍隊の歴史がどうだったのかを紐解いてみれば明白なのです。
 そして中国は、急激な軍拡で海軍力を増強させています。以前尖閣諸島周辺で射撃管制レーダーを海自の船に照射するという事件を起こしていますが、これを理由に戦争が始まってもおかしくない大失態です。しかもこれ、艦長の判断だったとする話もあり、日本相手とはいえ慢心なのかビビリなのか、どっちにしても実行しちゃうような人が昇進してこの地位につけちゃってることで、急激な拡充で兵士の教育が追いついてない事を証明しています。

 中国は「ねんがんのくうぼをてにいれたぞ!」と息巻いて将来的には3艦体制も視野に入れているわけですが、その艦載機であるJ-15、自分の推力(と合成風力)でスキージャンプから発艦するので、燃料か搭載武器どちらかを妥協しないとならない…というのが実態です。即応性の高い任務には有用な戦力となるでしょうが、継続的な戦闘には向かないと見るのが妥当です。
 中国海警局の件もそう。海洋権益のための組織ではありますが、もともとの組織の“なにを確保するか”が違うため、要求される能力はそれぞれ違います。それを集合体化すると、質がバラバラになってしまうんですね。この差が吸収されるまでこの組織はまともに機能しないでしょう。

 今の中国の海上戦力絡みの話を読むと「生暖かい目」な反応が適切、というのが解ると思います。